いま当会では、「学び舎」の教科書を次回検定で合格させないよう努力しています。
分担して問題点を洗い出し、比較し、問題点を整理してしかるべきところに訴えかけを
しています。
いろいろ調べていたら、産経新聞の2015年5月7日の記事に、検定を合格する前の
「学び舎」の教科書の酷さについて述べています。大変参考になりますのでここに掲載
させていただきます。
しかしその後、その恐れていた教科書が検定に合格してしまったのです。
しかもその検定に携わった検定調査審議会の前歴史小委員長上山和雄氏は、次のように
語っているのです。(朝日新聞2015年4月24日、朝日の編集委員のインタビューに答え
たもの。抜粋)
ー全体を振り返ると。
「検定が厳格になったとは思っていません。むしろストライクゾーンが広がったと感じ
ます。日本のいいところばかりを書こうとする『自由社』と、歴史の具体的な場面から
書き起こす新しいスタイルですが、学習指導要領の枠に沿っていない『学び舎』。この
2冊とも、いったん不合格になりながら結局、合格したのですから」
ーなぜ、合格に。
「不合格後に出てきた本は政府見解などを加えていたので、事前にチェックする文科省
の教科書調査官の案は、両方とも『○』になっていました。自由社の方は、これまでも
同じ論調の別の教科書を合格にしているので、『×』にすると継続性の点で問題がある。
では、もう1社の学び舎を『×』にするかですが、基準を一方に緩く、一方に厳しくす
るのはまずい。結果として間口が広くなったと感じています」
という理由で検定を通してしまったのです。
「学び舎」の教科書は、学習指導要領の枠に沿っていないと言いながら、「基準を一方
に緩く、一方に厳しくするのはまずいから」という理由で合格にしてしまいました。
緩いか厳しいかを論ずるのは、あくまでも「学習指導要領の枠に沿ったもの」であるこ
とが前提で行われるべきではないでしょうか。